交通分野への応用

交通分野の現状

近年、高齢化社会や地方創成の課題を解決を目的として、公共交通の利便性の向上やオンデマンド交通といった新しい移動手段の確保が急務となっています。運航スケジュールを固定しているがゆえに乗客がほとんどいないにも関わらずバスが走行していたりと全国的に不採算路線の課題が解決していない状況です。

私たちのビジョン

IOTやDXが今後ますます進む中で時々刻々と変化する乗客需要に対応するオンデマンド交通や渋滞情報や天気予測などのデータをもとに最適なルーティングを個々のモビリティが判断し、交通システムが街全体として最適化されている未来型の都市開発のためのアルゴリズム・ソフトウェアを研究開発しています。

マルチエージェントシステムを用いた自動運転の車線変更

自動運転が普及した世界では、各々の車が勝手に車線変更をしても事故や渋滞を起こしかねません。複数の車が互いに道を譲り合うことで周辺のすべての車が安全に素早く目的地に着くことが出来ます。これを可能にするのがまさしく「チームプレー」を可能にするマルチエージェントシステムです。

Zhou et al. Multi-agent reinforcement learning for cooperative lane changing of connected and autonomous vehicles in mixed traffic. Autonomous Intelligent Systems, 2022. より引用.

交通ネットワークの組み合わせ最適化のための深層強化学習

近年、強化学習を使い組み合わせ最適化問題を解く研究も盛んに行われています。複数の拠点(主に大きな駅)から複数の停留所へ最適な路線を組むことは人間の手では困難です。需要を予測したオンデマンド交通を実現するためには最先端の機械学習技術・数学的最適化手法を使う必要があります。